top of page


【会員コラム】間忠雄(11)倫理的反出生主義の普及を願って(11)~キリスト教的反出生主義を巡る対話~
これまでのコラムの内容に対してキリスト教信仰を同じくするM氏から以下のような指摘を頂いたので、彼の同意を得てさらなる応答をここに提示したいと思う。
彼の倫理的反出生主義への批判と評価は、旧約聖書(ユダヤ教)とキルケゴールそれぞれを論拠とするものなので、2回に分けて反論ないし自説の修正を試みたいと思う。
〔M氏の指摘その1〕旧約聖書・ユダヤ教と倫理的反出生主義
倫理的反出生主義が、人間を苦痛・苦悩から救済することを最大かつ唯一の目標としていることは認めるとしても、旧約聖書・ユダヤ教(『旧約聖書』から知られるユダヤ教のことをこのように呼ぶことにする)もまたそのような課題を知らないわけではないし、ましてや旧約聖書・ユダヤ教を出生主義と断定することは誤りである。
君の標榜するキリスト教的反出生主義は、次の問いにこたえる必要がある。
「反出生主義は、意図するとせざるとにかかわらず、論理的・必然的に、創造の否定へと行き着かないか?」
旧約聖書・ユダヤ教は、創造否定、創造に対する反抗、あるいは君の言葉を借りれば「手ごわい現実」を十分

間忠雄|Tadao Hazama
1 日前


街頭活動21:高田馬場駅前広場
2025年8月17日(日)の午後、無生殖協会街頭活動部は21回目の街頭活動を高田馬場駅前広場で実施しました。
4名の会員が参加し、ヒトを作ることの倫理的な重大さや同意の不在などに触れる8種類のパネルを掲げ、付近を通行する多くの人々の注目を集めました。
今回の活動では、本会に賛同する意見を表明する通行人は見られず、2名の通行人が強い反発を示しました。
今回の街頭活動で使用されたパネルは以下の8種類です。

穂積浅葱|Asagi Hozumi
8月17日


第5回定期総会を開催しました
無生殖協会では、2025年8月10日に第5回定期総会を開催し、下記の議案を扱いました。 役員の選出 会計報告 準会員資格の廃止と入会条件の追加 役員の選出 現職の代表/会計である穂積浅葱氏と、現職の監事3名のうち2名がそれぞれ現在の役職に立候補し、その就任に異議は挙がりませ...

穂積浅葱|Asagi Hozumi
8月11日


【会員コラム】間忠雄(10)倫理的反出生主義の普及を願って(10)~敗戦80年を迎えて~
ひとは誰もが不可避的に被害者にもなり得るしまた加害者にもなり得るという現実の認識は、倫理的反出生主義の主張を支持する重大な要素の1つである。
たとえ自分がいま、被害者・加害者のいずれになることからも免れていたとしても、その場合他の誰かが代わりにそうなっているような現実を認識することは、確かにわれわれが出生の停止を求めるべき強力な根拠の1つである。
被害者になることを自ら選ぶ人はいないのではあるけれども、加害者になる為には自ら選んでそうする面があるだけではなく、複合的に外から強いられてそうなる面がある。
この被害・加害の不可避的現実を、国家的歴史的規模において体現しているのが、ちょうどいまのイスラエルである。
いまから80年前にその誇大妄想的な野望を砕かれた同盟諸国は、自らの意志において加害者となる道を選び取り、その当然の報いとして被害者とも成るべくして成り果てたのであるが、むしろいまわれわれが目にするところのものは、被害者のすべての苦痛を知っていたにもかかわらず隣国のガザの人びとに、自分たちが被ったのとまさにちょうど同じ目を遭わせ

間忠雄|Tadao Hazama
8月6日


【会員コラム】間忠雄(9)倫理的反出生主義の普及を願って(9)~倫理的反出生主義のプロパガンダ~
「プロパガンダ」という言葉がある。
一般に「宣伝・広告」という意味を持つ言葉であるが、語源は1622年にカトリック教会が設立した「布教聖省」なるものの呼称にこの語が用いられ、ラテン語のpropagare(繁殖させる、種をまく)に由来するという(ウィキペディアより)。
これはキリスト教における福音宣教が、新約聖書福音書における「種まきの譬え」(マタイ・マルコ・ルカ)にそのイメージを負っていることを示す一例なのであるが、しかしその後の歴史においてとりわけ「政治的なプロパガンダ」という用いられ方をする場合、それは一種の扇動的な要素を持ち、知性的であるよりも情緒や激情に訴えかける宣伝効果として、一般大衆に向けて重大な影響力を及ぼす作用として語られるようになった。宗教的な宣伝に始まり、商業的な広告、政治的なプロパガンダにわれわれの生きる社会は事欠かないのであるが、確かにそれらは否定的な意味だけを持つのではない。
たとえば商業的な広告の多くは消費者が必要な商品やサービスを手に入れることに役立っている。
宗教と政治の自己宣伝は真に人々に福利厚生をもたら

間忠雄|Tadao Hazama
7月28日


【会員コラム】穂積浅葱(6)不妊治療クリニック爆破犯の過ち:無生殖主義活動家の視点
6月17日にカリフォルニアの不妊治療クリニック付近で起こった自爆事件の犯人とされるガイ・エドワード・バートカス容疑者(とその協力者、ダニエル・パク)の行動がなぜ無生殖主義*活動家の視点から許容できないものだったのかについて、私の考えをここに書き留めておきます。
* 苦感能力を持つ意識を作ることは誤っているとする倫理学上の立場を、ここで解説している理由で、無生殖協会は「無生殖主義」と呼んでいます。その実践の仕方は事実上、反ヒト生殖主義(広く『反出生主義』として知られている立場)とヴィーガニズムの両立です。「反出生主義」という言葉の方に馴染みがあれば、読み替えてくださっても差し支えありません。
広く受け入れられている結論(ヒトや動物を作ることは良いことである、または許容されることである)に反対すべき理由を見つけていない人々を、それに真っ向から対立する無生殖主義に納得させようと思ったら、まずは彼らに、議論に参加して我々の話を聞く気になってもらわなければなりません。
そのためには、彼らは少なくとも無生殖主義について「過激」「危険」などという

穂積浅葱|Asagi Hozumi
7月26日


街頭活動20:池袋駅東口
2025年7月13日(日)の午後、無生殖協会街頭活動部は20回目の街頭活動を池袋駅東口付近で実施しました。
3名の会員が参加し、ヒトを作ることの倫理的な重大さや同意の不在などに触れる6種類のパネルを掲げ、付近を通行する多くの人々の注目を集めました。
今回の活動では、本会に全面的に賛同する意見を表明する通行人は見られなかったものの、2名以上が本会の立場をある程度理解する姿勢を示しました。
残念ながら別の通行人は、活動に参加していた会員の年齢に基づく差別的な態度を露わにし、卑劣な言葉を投げかけました。
今回の街頭活動で使用されたパネルは以下の6種類です。

穂積浅葱|Asagi Hozumi
7月15日


【更新】街頭活動の予定:2025年7-9月
2025年7-9月の街頭活動は以下の日程で実施される予定です。 参加を希望される方は、 お問い合わせフォーム からその旨をお伝えください。 途中から、もしくは途中までの参加も歓迎します。 日時 場所 備考 街頭活動20 2025年7月13日(日)16-18時頃 池袋駅東口...

穂積浅葱|Asagi Hozumi
6月26日


街頭活動19:池袋駅東口
2025年6月22日(日)の午後、無生殖協会街頭活動部は19回目の街頭活動を池袋駅東口付近で実施しました。
4名の会員が参加し、ヒトや動物を作ることの倫理的な重大さや同意の不在などに触れる8種類のパネルを掲げ、付近を通行する多くの人々の注目を集めました。
3名以上の人々から、賛否両論の反応を直接得ることができました。
今回の街頭活動で使用されたパネルは以下の8種類です。

穂積浅葱|Asagi Hozumi
6月23日


街頭活動18:神宮橋(原宿駅前)
2025年5月18日(日)の午後、無生殖協会街頭活動部は18回目の街頭活動を原宿駅付近の神宮橋で実施しました。
3名の会員が参加し、ヒトや動物を作ることの倫理的な重大さや同意の不在などに触れる6種類のパネルを掲げ、付近を通行する多くの人々の注目を集めました。
4組以上の人々から、賛否両論の反応を直接得ることができました。
今回の街頭活動で使用されたパネルは以下の6種類です。

穂積浅葱|Asagi Hozumi
5月18日


【会員コラム】間忠雄(8)倫理的反出生主義の普及を願って(8)~5・1に寄せて~
倫理的反出生主義からの問いかけは、人間が考え続けることを止めない限り、常に現実の人間社会に突き付けられた問いである。
いったい全体われわれ人間が出生の完全停止の実現を先送りし続ける限り、ひとりの人間が負うにはあまりにも耐えられないほどの苦悩が、われわれの中の誰かの身に、ある日突然襲いかかって来るということをやがて終わらせることはできないのではないか。
去る5月1日、大阪市西成区で下校中の小学生たちが、東京都の無職矢沢勇希氏(28)の運転するレンタカーに故意に轢かれ、7名が大怪我を負わされるという痛ましい事件があった。
被害者、加害者、またその身内の方々の身になってみることを想像すると、その苦悩は測り知ることができない。
倫理的反出生主義は、人の不幸を待ってましたとばかりに自己宣伝の材料に使うことは慎まなければならないのであるが、このような不幸は誰の身にも起こり得るということ、また絶えず誰かの身に現に起こっているということを知っている点で、この問題の解決策を冷静になって、人々に呼びかけ続けなければならない使命を負わされている。
あ

間忠雄|Tadao Hazama
5月5日


【会員コラム】間忠雄(7)倫理的反出生主義の普及を願って ~苦しむ人間存在がもはや誰もいなくなるために~(7)
「出生の停止」を訴える倫理的反出生主義の主張は、①現実世界の抱える人間の苦悩という問題の深刻さの認識と②倫理的存在としての人間の責任とその能力の限界についての理解に基づく、問題解決のための唯一不可欠の解答を提示するものである。
倫理的反出生主義が扱う問題は一言で言えば、「人間の苦しみ」なのであるが、同じ人間の苦しみを問題として取り組んでいながら倫理的反出生主義の示す解答を一顧だにしない立場があるとすれば、それはいったいいかなる理由によるのであろうか。
いうまでもなく倫理的反出生主義は、人間の苦悩を真剣に問題とし、その解決のための努力を惜しまないあらゆる立場と共同する用意がある。
それらの立場に人間の苦悩の問題解決のための確固たる決意がある限り、われわれは倫理的反出生主義からの提案、すなわち「出生の完全な停止」をお勧めしないわけにはいかないのである。
人間の苦しみと真摯に取り組む立場の一例にここでは対話の相手として、「政治哲学」なるものを取り上げたい。
政治の課題は人間的生の質の保証であると思われる(「人間的」ということが生の

間忠雄|Tadao Hazama
4月30日


【中止】街頭活動16:池袋
2025年3月13日(日)の14-16時に池袋駅東口付近で予定されていた16回目の街頭活動は、降雨予報のため中止されます。

穂積浅葱|Asagi Hozumi
4月12日


【更新】街頭活動の予定:2025年4-6月
2025年4-6月の街頭活動は以下の日程で実施される予定です。 参加を希望される方は、 お問い合わせフォーム からその旨をお伝えください。 途中から、もしくは途中までの参加も歓迎します。 日時 場所 備考 街頭活動16 2025年4月13日(日)14-16時頃 池袋駅東口...

穂積浅葱|Asagi Hozumi
3月20日


【中止】街頭活動16:池袋
2025年3月16日(日)の14-16時に池袋駅東口付近で予定されていた16回目の街頭活動は、降雨予報のため中止されます。

穂積浅葱|Asagi Hozumi
3月14日


Discord サーバーにお越しください
無生殖協会では、本会の会員でない方々にもご利用いただける公開チャンネルを Discord サーバーに作成しました。 議論や質問の場としてご活用ください。 下のリンクから参加することができます。

穂積浅葱|Asagi Hozumi
3月3日


街頭活動15:渋谷マークシティ(渋谷駅前)
2025年2月16日(日)の午後、無生殖協会街頭活動部は15回目の街頭活動を渋谷マークシティ付近で実施しました。 3名の会員が参加し、4種類のパネルを掲げて付近を通行する多くの人々の注目を集めました。 今回の街頭活動で使用されたパネルは以下の4種類です。

穂積浅葱|Asagi Hozumi
2月16日


【会員コラム】間忠雄(6)倫理的反出生主義の普及を願って ~苦しむ人間存在がもはや誰もいなくなるために~(6)
「出生の停止」を訴える倫理的反出生主義の主張の是非をめぐる議論は、およそあらゆる建設的議論と同様に、議論の前提となる共通の基盤を絶えず確認し、相互に認識を深め、あるいは必要に応じて修正を迫られるものでなければならないだろう。
なかなか理解し合えない場合にも粘り強く、議論に参加す

間忠雄|Tadao Hazama
2月13日


【会員コラム】穂積浅葱(5)「命」という語を使うのをやめよう
我々ヴィーガンが守られるべきだと主張しているのは「苦感能力(苦痛を感じる能力)を持つ意識のウェルビイング」であって、「命」ではありません。
また、無生殖主義者*が作るべきではないと主張しているのは「苦感能力を持つもの」や「苦感能力を持つ意識**」などと呼ばれるべきものであり、「

穂積浅葱|Asagi Hozumi
2月4日


街頭活動14:神宮橋(原宿駅前)
2025年1月12日(日)の午後、無生殖協会街頭活動部は14回目の街頭活動を原宿駅付近の神宮橋で実施しました。 5名の会員が参加し、生殖の倫理的な重大性や同意の不在などに言及する9枚のパネルを掲げました。 付近を通行する多くの人々の注目を集め、そのうちの複数人から、賛同や不...

穂積浅葱|Asagi Hozumi
1月13日
最新情報
bottom of page